平成26年度手術実績
平成26年度手術の総括
平成26年4月から平成27年3月末までの手術は下記のようになりました。
まず白内障手術に関しまして、今年度は215眼と昨年度の145眼を大きく上回りました。
数ある病院、眼科クリニックの中から当院を選んで頂いた患者様、当院を御紹介下さった他院の先生方に深謝致します。
より良い視機能獲得、裸眼視力向上を目指して乱視矯正用眼内レンズを積極的に使用させて頂いておりますが、その件数も71眼(全体の約33%)と昨年度(31眼(全体の約24%))を大きく上回りました(眼内レンズ費用は手術費用に含まれておりますので、乱視矯正用眼内レンズを用いたからといって別途費用が発生することはありません)。
涙道手術の件数も昨年度を上回りましたが、この原因と致しまして、患者様の絶対数が増えたことに加えて、内視鏡手術を導入したことも挙げられると思います。
涙道(目から鼻へ続く涙の排泄路)の狭窄、閉塞を解消するために、シリコン製のチューブを涙道に通しますが、内視鏡を用いて閉塞部位を確認しながら施行すると、発症から時間が経過しているような難症例であっても問題なく安全に完遂することができます。
これによって適応が広がったことや、長年苦しんだ流涙から解放された患者様からの口コミなどで涙道手術の件数が増えたと推察致します。
白内障手術や涙道手術、網膜硝子体手術、全ての手術を通して、昨年度同様、今年度も術後感染症や駆逐性出血といった重篤な合併症は一例もありませんでした。
今後もより多くの患者様に「安全で質の高い」手術をご提供できるよう日々研鑽を積んでいきたいと思います。
手術実績
白内障 | 網膜 硝子体 |
眼瞼 | 涙道 | その他 | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|
合計 | 215 | 13 | 25 | 18 | 43 | 314 |
4月 | 20 | 2 | 2 | 4 | 5 | 33 |
5月 | 20 | 1 | 0 | 0 | 4 | 25 |
6月 | 27 | 0 | 1 | 0 | 5 | 33 |
7月 | 19 | 0 | 2 | 0 | 3 | 24 |
8月 | 11 | 1 | 0 | 2 | 3 | 17 |
9月 | 21 | 3 | 3 | 0 | 2 | 29 |
10月 | 18 | 2 | 3 | 1 | 2 | 26 |
11月 | 22 | 0 | 2 | 4 | 5 | 33 |
12月 | 11 | 1 | 1 | 2 | 4 | 19 |
1月 | 13 | 1 | 3 | 4 | 5 | 26 |
2月 | 17 | 2 | 0 | 0 | 3 | 22 |
3月 | 16 | 0 | 8 | 1 | 2 | 27 |
※「その他」の手術には抗VEGF抗体硝子体注射、翼状片、結膜弛緩症手術などが含まれます。
※網膜光凝固術、YAGレーザーで施行した後発白内障手術は含んでおりません。
白内障手術成績
例 | % | |
---|---|---|
術後眼内炎 | 0眼 | 0.00% |
後嚢破損 | 0眼 | 0.00% |
チン小帯断裂 | 1眼 | 0.46% |
チン小帯断裂の1例は偽落屑症候群の症例で、手術前よりチン小帯脆弱化も疑われており、眼内レンズ挿入が困難な可能性について手術前にお話させて頂いておりました。眼内レンズ未挿入では視力も出にくいので、白内障手術の約1週間後に眼内レンズ縫着術を当院で施行させて頂き、現在の視力は裸眼で1.0と非常に良好です。