令和2年度手術実績
令和2年度手術の総括
令和2年4月から令和3年3月末までの手術は下記のようになりました。
今年度はCOVID-19感染症に明け暮れた一年で、緊急事態宣言後、4月、5月の手術件数は減少しましたが、その反動か、それ以降の件数は昨年度よりも増加しました。
まず白内障手術に関しまして、今年度は477眼と、昨年度の443眼から34眼増加し、クリニックでの白内障総手術件数が2500眼を超えました。数ある病院、眼科クリニックの中から当院を選んで頂いた患者様、当院を御紹介下さった他院の先生方に深謝致します。
より良い視機能獲得、裸眼視力向上を目指して乱視矯正用眼内レンズを積極的に使用させて頂いておりますが、今年度は168件(全体の約35%)で昨年、一昨年度の30%を上回りました(眼内レンズ費用は手術費用に含まれておりますので、乱視矯正用眼内レンズを用いたからといって別途費用が発生することはありません。一般的に乱視矯正用眼内レンズの使用頻度は10-20%です)。また、多焦点眼内レンズを用いた症例は14眼でした。
「その他」が今年度も少し増えましたが、これは、抗VEGF抗体の硝子体注射の件数増加と今年度は霰粒腫切開術の増加によるものと思われます。
白内障手術や涙道手術、網膜硝子体手術、全ての手術を通して、昨年度同様、今年度も術後感染症や駆逐性出血といった重篤な合併症は一例もありませんでした。
今後もより多くの患者様に「安全で質の高い」手術をご提供できるよう日々研鑽を積んでいきたいと思います。
手術実績
白内障 | 網膜 硝子体 |
眼瞼 | 涙道 | その他 | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|
合計 | 477 | 13 | 47 | 14 | 117 | 668 |
4月 | 42 | 1 | 5 | 0 | 10 | 58 |
5月 | 27 | 3 | 4 | 0 | 5 | 39 |
6月 | 53 | 0 | 2 | 0 | 15 | 70 |
7月 | 36 | 1 | 5 | 1 | 14 | 57 |
8月 | 27 | 0 | 5 | 1 | 8 | 41 |
9月 | 40 | 1 | 5 | 7 | 7 | 60 |
10月 | 54 | 2 | 4 | 0 | 11 | 71 |
11月 | 52 | 0 | 5 | 1 | 8 | 66 |
12月 | 32 | 1 | 7 | 0 | 8 | 48 |
1月 | 36 | 0 | 4 | 1 | 6 | 47 |
2月 | 36 | 2 | 1 | 1 | 13 | 53 |
3月 | 42 | 2 | 0 | 2 | 12 | 58 |
※「その他」の手術には抗VEGF抗体硝子体注射、翼状片手術、結膜弛緩症手術などが含まれます。
※網膜光凝固術、YAGレーザー(後発白内障に対して)、選択的レーザー線維柱帯形成術(緑内障に対して)などのレーザー手術は含んでおりません。
白内障手術成績
例 | % | |
---|---|---|
術後眼内炎 | 0眼 | 0% |
後嚢破損 | 1眼 | 0.2% |
チン小帯断裂 | 1眼 | 0.2% |
チン氏帯断裂の1例は、術前からチン氏帯の脆弱化が予想されており、眼内レンズ縫着の準備もして手術に臨んだ症例でした。