白内障手術について
当院では日帰り白内障手術を行っております。
麻酔は基本的に点眼麻酔のみで、切開創も極小切開手術と呼ばれるほど小さく、手術時間も10~15分と短いので、患者さんのご負担は非常に少ない手術です。
乱視用眼内レンズも導入し、術後より良い裸眼視力の獲得を目指しております。
術前検査
- 血液検査(血液を介して感染する可能性のあるウイルス性疾患関連の検査など)
- 眼軸長(目の奥行き)測定
- 角膜(黒目)の内皮細胞密度測定
- 手術説明(術式、合併症、注意点など)
手術日のながれ
※手術開始予定時刻の約1時間半前にご来院くださいませ
※リカバリールームでお着替えして頂いた後、血圧測定、点滴開始いたします。
(手術中に血圧が上がった際などにすぐにお薬を投与するためのルート確保です)
※ご来院頂いてから帰宅されるまでの時間は約2-3時間程です。
手術実績
多焦点眼内レンズについて
現在まで保険適応となっている眼内レンズは単焦点眼内レンズで、遠方または近方のどちらか一方に焦点を合わせる為、術後に眼鏡が必要でした。
例えば、遠方に焦点を合わせた場合、近くを見る際に老眼鏡が必要となります。
一方、多焦点眼内レンズは、遠方・近方ともにある程度の視力回復が可能で、眼鏡依存率が低減されるレンズです。
2020年4月より、この多焦点眼内レンズを用いた白内障手術が「選定療養」という枠組みで行われることになりました。
「選定療養」とは、追加費用を患者様が自己負担することで、保険適応の治療と保険適応外の治療を併せて受けることができる制度です。
つまり、白内障手術自体の費用は保険適応となり、多焦点眼内レンズを選択することで増える費用(多焦点眼内レンズと従来の単焦点レンズの差額)が保険適応外となる為、これを自費でお支払い頂くという仕組みです。
当院では、下記6種類の多焦点眼内レンズを扱っております。
2焦点眼内レンズ
- ① テクニス シンフォニー(焦点深度拡張型 税込 18万円)
- ② テクニス シンフォニー トーリック(焦点深度拡張型 税込 23万円)
- ③ テクニス シナジー(焦点深度拡張+2焦点回析型 税込 30万円)
- ④ テクニス シナジー トーリック(焦点深度拡張+2焦点回析型 税込 35万円)
3焦点眼内レンズ
- ⑤ クラレオン パンオプティクス(税込 35万円)
- ⑥ クラレオン パンオプティクス トーリック(税込 38万円)
それぞれの特徴は以下の通りです。
- ① テクニス シンフォニー / ② テクニス シンフォニー トーリック
(焦点深度拡張型) -
以前頻用されていた2焦点眼内レンズ(遠方と近方重視)と比べて、60~80cmの中間距離が見えやすく、ハロー・グレアといった光の周囲の滲みが軽減されたレンズです。
その分、近方(約33cm)の見え方が弱く、手元の細かいものを見る場合は少し距離を開けるか、度数の弱い老眼鏡をかける必要があります。
- ③ テクニス シナジー / ④ テクニス シナジー トーリック
(焦点深度拡張+2焦点回析型) -
中間距離の見え方を重視した「焦点深度拡張型」に手元の見え方を重視した2焦点回析型を組み合わせたレンズです。それにより、手元(約33cm)から中間、遠方まで広範囲な明視域の獲得が可能と言われています。
2焦点の眼内レンズに顕著であった、術後のハロー・グレアといった症状も軽減されています。
- ⑤ クラレオン パンオプティクス / ⑥ クラレオン パンオプティクス トーリック
(3焦点回析型) -
2019年に国内で承認された3焦点眼内レンズである「パンオプティクス」の素材とデザインが改良されたレンズです。
3焦点眼内レンズの場合、光を近方・中間・遠方に振り分ける際に約15%の光をロスしていましたが、クラレオン パンオプティクスでは素材の改良などによって、このロスを12%にまで軽減し、よりクリアな視界を確保できる様になりました。
多焦点眼内レンズによるデメリット(ハロー、グレア、コントラスト感度の低下など)、或いは想像していた見え方と異なる、といった理由で単焦点眼内レンズへの入れ替えをご希望の場合は自費診療(片眼あたり20万円)とさせて頂きます。