ベトナムでの海外医療支援(平成25年12月)
服部匡志先生
皆さんは服部匡志先生をご存じでしょうか。
2002年から現在に至るまで、ベトナムで白内障手術、網膜硝子体手術等を無償で行い、延べ1万人以上の患者さんを失明から救ってきた、ベトナムの赤ひげ先生と呼ばれている先生です。
海外医療支援
以前から海外医療支援活動に興味があったのですが、勤務医ですと時間の融通が効きにくい事などもあって実現しないままでおりました。
しかし、クリニックを開院してある程度時間に融通が効く様になったこともあり、思い切って服部先生に連絡させて頂き、念願叶って平成25年12月にベトナムでの活動に参加させて頂くことになりました。
クアニン省モンカイ
今回の活動の目的は、ハノイから直線距離で北東に約200km離れたクアニン省モンカイでの白内障手術で、日本からは私を含めて8名のボランティアが参加しておりました。
服部先生、日本人ボランティア、ベトナム人スタッフ総勢約15名がハノイで集合し、マイクロバスでモンカイに向かいました。途中ハイフォンという街で一泊し、翌日正午頃にモンカイに到着しました。
到着してほっとしたのも束の間、患者さんの診察、手術の準備、そして手術、更に手術器具の後片付けなどで時間はあっと言う間に過ぎ、気がつけば19時を過ぎていました。その翌日は朝8時から術後患者さんの診察、当日手術患者さんの診察、手術準備を手分けして行い、その後手術、手術の後片付けと、やはり気がつけば18時頃になっていました。その次の日は午前中で手術を終了し、午後にはモンカイを発って、やはりマイクロバスで約7時間かけてハノイに戻り、そのまま深夜の便で日本に帰ってきました。
移動時間も長く、肉体的には疲れていたはずですが、逆に移動時間が長かった為かスタッフの間に一体感の様なものが生まれ、チームで一つのミッションを成し遂げたような充実感を得ることができました。
ベトナムでの手術
日本では最新機器や豊富な物品に囲まれた、非常に恵まれた環境下で手術を行っており、ベトナムでの慣れない環境下での手術に最初は戸惑いを感じました。ボランティアだからといって、或いは慣れない環境だからといって質の低い手術が当然許される訳もなく、日本での手術以上に気を引き締めて、そして細心の注意を払って臨ませて頂きました。
そんな状況だった為か、手術翌日、自分が執刀させて頂いた患者さんの笑顔を見た時の喜びと安堵感は日本でのそれ以上でした。
手術をさせて頂くということは、患者さんの人生の一部を担わせて頂くことだと考えております。しかし今回、手術翌日以降の経過を自分で追うことができておらず非常に心苦しいのですが、患者さんの術後経過が良好であること、また今回の手術が患者さんの今後の人生に少しでもお役に立てていることを切に願っております。