ベトナムでの海外医療支援
関山英一
平成25年12月、クアンニン省モンカイでの医療活動に参加させて頂き、今回で2度目の参加となりました。日本からの参加者は、前回モンカイで御一緒させて頂いた鳥取大学の池田先生、服部先生の母校である四条畷高校の学生さん6名、同校の教頭先生、笠松先生、拙院のスタッフ2名の計12名でした。
ハノイから東に直線距離で約90km離れたクアンニン省クアンイェンが今回の目的地で、朝9時頃にハノイを出発して12時過ぎに現地に到着、この日の午後から翌々日までの2日半の間に約120件の白内障手術を施行することになりました。
まずは手術室への機械・器具の搬入そしてそれらのセッティング、術前診察、眼内レンズの選択、患者さんの術前点眼など、手術開始までの仕事も盛り沢山で、手術が始まった後も患者さんの点眼、誘導、手術に必要な物品の補充など、執刀以外の仕事は盛り沢山です。今回、四条畷高校の皆さんがこれらの仕事をテキパキと効率的にこなしてくれました。
先生方は単に引率者として来られたのかと思いきや、時に学生さん達以上に積極的に行動しておられました。慣れない環境下で疲れておられるにも関わらず、それを全く感じさせず、先生方ご自身ができる事を探されて動かれる姿には感銘を受けました。
学生さん達も割り振られた仕事以外に、術後患者さんの回診の際に患者さんのメヤニを丁寧に拭いてあげたり、ベッド下にある患者さんの履物を揃えてあげたり、「患者さん」としてだけではなく、「人」として接している姿にとても心が温まりました。
池田先生は難症例を手掛けられる合間に、学生さん達とも積極的にコミュニケーションをとられ、彼らが動きやすい環境作りにも気を配っておられました。
この様なメンバーと同じ目的を持って3日間寝食を共にし、最後の患者さんの手術を終えた時の達成感、充実感は言葉では言い表せないものでした。
微力ではありますが、ベトナムの患者さんや服部先生のお役に立てる充実感、チームで一つの仕事を成し遂げる達成感、この様な気持ちを味わいに、また来年も参加させて頂きたいと思います。
最後になりましたが、手術をさせて頂いた患者さんの術後経過が良好であること、また今回の手術が患者さんの今後の人生に少しでもお役に立てていることを切に願っております。
下脇志麻
この度院長に同行し、ベトナムでの医療活動に参加させて頂きました。
私自身ベトナムは初めてでしたが、ハノイの街並みは、多くの街路樹や池といった自然と多数(無数)のバイクが混在していたり、現地の人々の中にも屈託のない穏やかな笑顔と活気が混在していたり、何となく一昔前の日本の情景と重なって懐かしさを覚えました。
今回手術を行った病院はそんなハノイからバスで3時間東へ行った郊外で、私達が到着した時には病院内は患者さんとそのご家族で溢れていました。3日間で約120件の白内障手術というハードなスケジュールの中、手術のバックアップは勿論、目の前の患者さんに対して自分は何ができるのかを常に考えて過ごしました。慌ただしい、あっと言う間の3日間でしたが、術翌日の患者さんとその家族の笑顔、暖房設備もない部屋で付き添われる御家族の姿が非常に印象的でした。
ベトナム郊外の医療環境もさることながら、衛生環境、ハノイ市内の富裕層との貧富の差などを目の当たりにしたことは、日本での生活、更には私自信の価値観を見つめ直すきっかけになった様に思います。また機会があればぜひ参加したいと思います。
久保優子
ベトナムでの医療活動への参加のお話を頂いた時、私自身海外が初めてということもあり、言葉も通じない、しかも勝手の異なる海外の医療現場で自分に何ができるのかという不安を覚えました。しかし海外でのボランティア活動という貴重な経験に対する興味が不安を上回り、今回の参加を決意しました。
私は未だクリニックで手術の現場に立ち合ったことがなかったので、一緒に参加されていた先輩スタッフに教えて頂きながら、患者さんの誘導や介助、物品の補充などを手伝わせて頂きました。出来ることはわずかでしたが、慣れない環境で緊張していたこともあってか、時間はあっと言う間に過ぎていきました。
言葉が分からず、通訳の方を通しての会話でしたが、手術が終わった患者さんから笑顔で「ありがとう」と言われた時はとても嬉しかったです。帰国後も患者さんの笑顔を思い返す度に心が温まります。また機会がありましたら是非参加したいと思います。