ゴミ拾い
唐突ですが、ゴミ拾いについて書かせて頂きます。
当院の硝子体手術担当医である米田医師(以下、米田)とは学生時代からの親友で、よく二人で生意気にも「日本を良くしたい」と話しておりました。しかし、若い二人が日本に影響を与え得る大それた事は出来るはずもなく、悶々とした日々を過ごしておりました。そんな折、5年程前でしょうか、いきなり大きな事は出来ないとようやく気付き、まずは出来る事からやってみようと、毎週一回木曜日、朝6時半から7時半まで、京都の児童公園でゴミ拾いをする事になりました。そしてこれを一年間続けました。どうせなら子供たちにメッセージを送ろうと、「清く、正しく、美しく」や「五常(仁・義・礼・智・信)」という文字をプリントした風船(天然ゴムで自然に返るもの)を作り、滑り台などにくくりつけたりもしました。しかし、夕方見に行ってみると、風船を繋いでいた糸や、持ち手部分(いずれも天然素材で自然に返るものですが)が散乱しており、公園をキレイにしているのか散らかしているのか分からない状況でした。残念でしたが風船でのメッセージは諦め、しばらくの間、何百という風船が私の家に溢れかえっておりました。
話をゴミ拾いに戻しますが、少しは世の中の為にと始めたゴミ拾いでしたが、挨拶して下さる方がいたり、話かけて下さる方がいたり、中には一緒にゴミを拾って下さる方がいたり、(銀杏を拾っていると勘違いされる方もおられましたが)、そんな方々と出会う度に米田と二人、心が洗われたものでした。世の中のためになったかどうかは全く分かりませんが少なくとも私たち二人は幸せな気分になりました。
そんな経緯もありまして、クリニックでゴミ拾いをしています。
午前診と午後診の間に手術や特殊検査を行っておりますが、これらの予定がない日などに時々行っております。昨年の8月が第一回目で、この時は私とスタッフ2名で月見山方面に行かせて頂きました。その後も細々と続け、気候の良い4月~5月は天気の良い午前中、スタッフが2人1組で計4回行かせて頂きました(カフェでの小休止可としています)。本心は分かりませんが、私の前ではスタッフも「楽しかった」「気持ちよかった」と言ってくれています。